エンジンオイルには、性能を表すいくつかの表示があります。その中で重要なのが粘度とグレードで、クルマや使い方に合った粘度とグレードのオイルの使用を推奨しています。 オイルの粘度は、SAE(アメリカ自動車技術者協会)の分類によって「10W-30」「0W-20」などと表されます。読み方は、まず前半の数字が小さいほど低温で固まりにくい特性があります。0Wなら零下35℃、5Wは零下30℃、10Wは零下25℃に対応しています。WはWinter(冬)の略で、10Wよりも5Wのほうがエンジン始動時における負荷が小さく、燃費も良くなります。後半の数字は、高温時の粘度を表していて数字が高いほどオイルが固くなります」。
クルマの使い方に応じてエンジンオイルを選ぶことも大切です。高出力のスポーツカーやターボエンジン搭載車は5W-40などのオイルを、小排気量のクルマや日常走行が中心であれば、0W-20、5W-20といったオイルを使用すると燃費数値は良くなる傾向にあります。
グレードは、API規格とILSAC(GF-5)規格の2種類が設定されています。 API規格は、米国石油協会(API)とSAE、そしてアメリカ材料試験協会(ASTM)の三者が定める規格です。この規格はガソリンエンジン車はS、ディーゼルエンジン車はCで始まります。後のアルファベットが進むほど性能が高くなります。最近では省燃費性能を重視する傾向にあります。現在はSN規格が流通していて、こちらもやはり省燃費性についての試験評価項目に重きが置かれています。 一方のILSAC(GF-5)規格は、日米の自動車工業会(ILSAC)が制定しているもので、API規格に省燃費性能を加えたものです。最新のグレードはGF-5です。 また、ディーゼルエンジン車用オイルにおいて日本では、国産クリーンディーゼルエンジンに対応した独自のJASO規格が主流となっています。
乗用車に適したグレードはDL-1です。 使用するエンジンオイルの粘度分類やグレードは、車種ごとに指定される場合がほとんどです。車両取扱説明書やメンテナンスノートなどに記されているので確認しておきましょう。
API規格 | ILSAC規格 | 特徴 |
---|---|---|
SA | 運転条件がゆるやかなエンジンに使用可、添加物を含んでいないオイル。 | |
SB | 最低レベルの添加物を配合したオイル、かじり防止・酸化安定性の機能が改善されている。 | |
SC | 1964-67年型のガソリン車に使用できる品質を持ち、デポジット防止性・磨耗防止性・サビ止め性腐食防止性が備わっている。 | |
SD | 1968-71年型のガソリン車に使用できる品質を持ち、SCより高い品質レベルを備えている。 | |
SE | 1972-79年型のガソリン車に使用できる品質を持ち、SDより高い品質レベルを備えている。 | |
SF | 1980年型以降の車に適応。酸化、高温デポジット(堆積物)、低温デポジット、サビ、腐食に対する優れた防止性能を発揮。 | |
SG | 1989年型以降の車に適応。SFの性能に加え、動弁系の耐摩耗性と酸化安定性が要求され、エンジン本体の長寿命化を果たす性能がある。 | |
SH | GF-1 | 1993年型以降の車に対応。SGの性能に加え、スラッジ防止性、高温洗浄性に優れる。 |
SJ | GF-2 | 1996年型以降の車に適応。SHの性能を向上。さらに蒸発性、せん断安定性に優れる。 |
SL | GF-3 | 2001年度制定。SJに比べ、省燃費性の向上(CO2の削減)・排出ガスの浄化(CO、HC、NOxの排出削減)・オイル劣化防止性能の向上(廃油の削減・自然保護)があげられる。 |
SM | GF-4 | 2004年制定。SLに比べ、浄化性能・耐久性能・耐熱性・耐磨耗性に優れている。 |
SN | GF-5 | 2010年制定。SMに比べて、省燃費性能の持続性のさらなる向上や触媒保護性能を強化。 |
JASO規格 | 特徴 |
---|---|
DL-1 | 2005年制定。クリーンディーゼル乗用車等に対応。ディーゼル微粒子捕集フィルター(DPF)の目詰まり寿命の向上や、省燃費性を規定することで環境負荷も軽減。高温酸化防止性も強化されている。 |
2013年02月現在
オイルの基本
オイルの種類やグレード、役割など。基本です。
オイル交換の仕方
オイル交換を自分でやっている方も、正しい交換の仕方を再確認してみてください。 私はいつもオートバ●●●にお任せです。